今年の春先から、なんとなく家出をしているような気がします。
生まれた実家がある故郷十和田でもなく、
長年生きてきた東京、杉並でもなく、
なぜか縁あって東北あたりを仕事でうろうろしています。
故郷とは限らず、遠くに離れると、離れた土地や時代を思い出します。
今は、また50年ぶりの家出なのかもしれません。
ぼくの母親は、とかくに家出というか、急にどっか思いついたらぷいっと行ってしまう、
ある種放浪癖のある女性だったようです。
ぼくが母親と一緒にすごした間も、
ぼくとの家出を含めて、少なくとも5回以上は、
急に家から失踪した事件がありました。
母親は昭和3年、大きな農家の次女として生まれましたが、
由緒あるところから嫁に来たぼくの祖母にあたる母親とは
とかくぶつかったようです。
祖母、呼び名は、おばっちゃは、ちょっと遠くの由緒のあるの家からとついできたので、
大変に気位が高かった。
また、実際に、親戚縁者、その他有力者にも顔がきき、
その立ち振る舞いも、当時は相当なものだったと聞く。
ぼくの記憶に残るおばっちゃは、確かに、どこかいかつい感じがあり、
ぼくが物心ついた頃は、夫でおじっちゃは、ボケが入っていたので、
ちょいとばかりおばっちゃに、ジャケにされている感じがあった。
細かには思い出すには調べなおさなくてはならないが、
ともかく、近所や親戚に影響力と存在感のあるおばっちゃだった。
そして、そのおばっちゃと7人兄妹の中で、
もっともぶつかり合ったの、ぼくの母でした。
その母親と、家出をしたのを毎年思い出します。
それは5歳頃の夏のある日の昼にはじまり、
11月の太素塚裏の夕暮れに終わります、。
はじまりは、母親が、僕が通っている保育園に
突然、スカート姿の小汚くない姿で現れたのがはじまりでした。
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